完璧なプレゼン資料を作れる人が、本番の営業で失敗してしまう。その原因は、勉強不足でもトークスキル不足でもなく、アプローチの「視点のズレ」にあるかもしれません。
本記事では、川内彩友美・著『決定版まんが日本昔ばなし101』の一遍『狐とたにし』を題材に、ビジネスで勝つためのプレゼン戦略を解説します。
キツネの視点(商品そのもののスペック)と、タニシの視点(商品を使ったあとの未来)。この2つがどうしてプレゼンの両輪となるのか。私がかつて挫折の末にノートに書き殴った「商品説明の2つのパターン」の気づきとともに、誰でも自信を持って提案できるようになる本質をお伝えします。
完璧な資料でも契約が取れない「営業の罠」とは
カタログ丸写しの猛勉強でも超えられなかった壁
『決定版まんが日本昔ばなし101』(川内彩友美 著、講談社)の中に掲載されている『狐とたにし』というお話をご存じでしょうか。
足の遅いタニシが、俊足のキツネの尻尾にしがみつき、ゴール直前でペロッと前に飛び出して競争に勝つという有名なお話です。
一般的には「相手をバカにすると足をすくわれる」という教訓で語られますが、ビジネスの視点で読み解くと、これは「勝ち方の戦略(アプローチ)の違い」を教えてくれる物語でもあります。
『狐とたにし』の教訓をビジネス視点で解読する
一般的には「相手をバカにすると足をすくわれる」という教訓で語られますが、ビジネスの視点で見ると、これは「勝ち方の戦略(アプローチ)の違い」を教えてくれる物語です。
キツネの視点:スペック重視のプレゼンが陥る盲点
- キツネの戦略: 自分のスペック(足の速さ=商品そのものの性能)だけで勝負した。
タニシの視点:顧客が本当に買いたいのは「結果」
- タニシの戦略: 相手の力を利用し、どうやってゴールするか(=商品を使ったあとの結果・未来)に集中した
かつて私は、まさにこの「キツネとタニシの視点」の壁にぶつかったことがあります。
プレゼン資料は完璧に作れるのに、なぜか特定の商品だけ本番のプレゼンで契約が取れない。上司からは「勉強不足だ」と指摘され、必死にカタログを一字一句丸写しして勉強しました。他の商品は売れるのに、なぜこの商品だけダメなのか……。
悩んだ末に自分のプレゼンを分析して、ハッと気づきました。
深夜の書斎で気づいた、商品説明の2大原則
「取扱説明」と「使用感」を融合させるプレゼン戦略
ーー後日談ーー
深夜の書斎。白熱灯の光の下で、分厚い商品の製品カタログと、ノートに書き殴られた機能一覧の文字を見比べながら、深くため息をつく。赤ペンを握ったまま、過去の失注したプレゼン資料のページを1枚ずつめくっていく。並んでいるのは、お客様が実際にそのシステムを動かしたときの笑顔のイラストや、業務が効率化されたあとの華やかな未来のグラフばかり。肝心の「初期設定の手順」や「処理速度の具体的数値」といった、泥臭い基本スペックのページが完全に抜け落ちていることに目が留まる。握っていた赤ペンの動きがピタリと止まる。自分の頭を軽く叩き、ノートの真っ新なページに、「まずは基本性能(取扱説明)から」と大きく黒いペンで四角く囲み、矢印を引く。
私は商品説明ではなく、商品を使ったあとの「使用感や未来(タニシの視点)」ばかりを熱弁していたのです。
営業のプレゼンを成功させるには、キツネとタニシ、どちらか一方だけでは不十分です。以下の2つのパターンが両輪として噛み合う必要があります。
- 商品そのものの取扱説明(キツネの視点=スペック・基本性能)
- 商品を使ったあとの使用感を伝える(タニシの視点=ベネフィット・未来)
当時の私は、基本の「取扱説明」をすっ飛ばして、未来の使用感ばかりを語っていたため、お客様はおいてけぼりになり、上司からは「(基本の)勉強不足だ」と見えてしまっていたのです。
まとめ:未来を魅せるプレゼンで勝率を上げる
まとめ
『狐とたにし』のタニシは機転を利かせて勝ちましたが、ビジネスの現場では、商品の「スペック(取扱説明)」という土台があってこそ、「使用感(未来)」という付加価値が活きます。
この2つを意識してプレゼンを組み立てるようになってから、私はどの商品でも自信を持って提案できるようになりました。

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